2017年の『キネマ旬報』文化映画ベストテンのドキュメンタリー『廻り神楽』を、北海道で初上映します。「廻り神楽」とは岩手県の沿岸を巡る黒森神楽。スタッフは東日本大震災の後も続く黒森神楽の巡行に密着し、三陸沿岸の「いま」と「人々」を映し出します。
今年は道内でも大きな地震があり、心の復興はこれからの課題です。危機を経験した共同体の生活と信仰の世界について考えるひと時とします。
上映後に遠藤協監督と北海道大学の教員によるトークショーを行います。観光学、広報論、メディア文化論の観点を踏まえて様々な観点から議論したいと思います。
(添付のチラシもご覧ください)
【日時】2018年11月4日(日)14:00~17:30(上映後にトークショー)
【場所】北海道大学学術交流会館1階 小講堂
<トーク登壇者> 遠藤 協 (『廻り神楽』監督)
下休場 千秋(北海道大学観光学高等研究センター)
辻本 篤 (北海道大学メディア・コミュニケーション研究院)
藤野 陽平 (北海道大学メディア・コミュニケーション研究院)
〈問い合わせ先〉藤野 陽平(e-mail/fujinoyohei@imc.hokudai.ac.jp)
芳賀 恵(e-mail/eastasian2@imc.hokudai.ac.jp、電話/011-706-5143)
〈主催〉北海道大学メディア・コミュニケーション研究院附属東アジアメディア研究センター
★『廻り神楽』あらすじ
三陸の海辺を数百年間旅しつづける「神楽衆」の物語
三陸の海辺を一夜の宿を乞いながら旅する神楽衆。
海とともに生きる三陸の人々は家に神楽を迎え入れ、海の安全、大漁祈願、家族の安寧の祈りを託す。〜揺り籠から墓場まで〜「黒森神楽」は340年以上、三陸の人々の人生に寄り添いながら巡行の旅をつづけている。
神楽が来れば春はもうすぐなのす
東日本大震災により海辺の人々は深い傷を受ける。津波から間一髪逃れた神楽衆が、人々を慰めようと巡行を再開する。亡き人の魂を慰め、生者を元気づける祈りの舞。春の先触れとなる神楽の音色に、人々は長い冬の終わりを感じとる。
津波のあとの「海の遠野物語」
繰り返し繰り返し津波が襲って来たこの場所で、神楽衆は何百年ものあいだ自然と人々の間を取り結ぶ役目を果たしてきた。ザシキワラシやオシラサマ、神々や精霊が今も息づく豊かな三陸の海辺で、津波のあとの「海の遠野物語」が誕生した。
(『廻り神楽』ウェブサイトhttps://www.mawarikagura.com/より)
監督:遠藤協(えんどう かのう)
プロフィール
1980年生。茨城県出身。大学で日本民俗学や文化人類学を学んだあと、映画美学校ドキュメンタリーコースを修了。全国各地の民俗文化を取り上げたドキュメンタリー映画、テレビ番組、教育映像等の企画・演出に携わる。2012年から岩手県宮古市の「震災の記憶伝承事業」に参加し被災地に通いはじめる。近作に「落合西光寺双盤念仏」「西久保観世音の鉦はり」(ともに地域映像コンクール奨励賞)、「むらのしばいごや―加子母明治座耐震改修工事の一年」(「地方の時代」映像祭優秀賞)など多数。
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