昨秋、韓国で行われた国際艦船式で、海上自衛隊の艦船が自衛隊旗の掲出を認められず、参加を取りやめるという事案が起こった。その前年、韓国で行われたサッカーの国際試合において、日本のサポーターが掲出した「旭日旗」が取り上げられ、アジアサッカー連盟から処分されるという事件が起こっている。日本と韓国の間で、改めて、歴史をめぐり摩擦が生じているのである。
本シンポジウムでは、この問題を考える前提として、日本における旧軍の記憶を検討する。まず、広島の呉に焦点をあて、大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)の花岡拓郎学芸員、濱名翔平学芸員より同館の歴史と企画展の運営について報告をいただき、さらに、広島大学の張慶在講師より、呉を舞台としたアニメ作品『この世界の片隅に』とその受容について報告をいただく。また、渡邉が陸軍軍旗の歴史と、自衛隊旗復活の経緯について整理し、玄武岩がコメントを述べ、最後にフロアを交えて議論を行う。
<プログラム>
呉港(広島県呉市)の現在と大和ミュージアム〜来館者90万人が目にするもの
___花岡拓郎(大和ミュージアム 主任学芸員)
「戦艦「長門」と日本海軍」展の企画から見えてきたもの
___濱名翔平(大和ミュージアム 学芸員)
『この世界の片隅に』と軍港呉の記憶(仮題)
___張慶在(広島大学 講師)
軍旗と自衛隊旗
___渡邉浩平(北海道大学 教授)
コメント___玄武岩(北海道大学 准教授)
討論
主催:北海道大学メディア・コミュニケーション研究院附属東アジアメディア研究センター
問い合わせ:東アジアメディア研究センター
e-mail/eastasian2@imc.hokudai.ac.jp 電話/011-706-5143(平日午後)
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