「人間が暮らしていたんだな」――。
30年前の1989年に北朝鮮を訪問して亡命を余儀なくされた韓国の作家・黃晳暎の訪朝記のタイトルです。反共教育がはびこる韓国で、民主化後に北朝鮮への認識の転換を象徴する言葉として一世を風靡しました。ビアガーデンらしき場所でデートに興じる若いカップルをみると、「人間が暮らしていたんだな」という言葉が漏れるのではないでしょうか。
拉致問題、核・ミサイル実験、経済制裁、渡航自粛…。
危険なニュースが目立ち、日朝を結ぶ唯一の航路も事実上閉鎖されて遠ざかるばかりの北朝鮮。朝鮮戦争の終戦宣言が視野に入り、東アジア情勢が平和体制へと大きく動き出すいまこそ、等身大の北朝鮮の人々と向かい合うことが求められています。
『麦酒とテポドン』の著者で研究者、ジャーナリストでもある文聖姫氏、写真集『隣人。38度線の北』『隣人、それから。38度線の北』を出版した写真家の初沢亜利氏をお招きし、豊富な取材経験から見えてくる北朝鮮の人々の素顔をとおして、リアルな北朝鮮のいまを考えます。
【日時】
2019年3月6日(水) 午後4時~7時
北海道大学学術交流会館 講堂(北8条西5丁目)
【講演者】
初沢亜利(写真家)
文聖姫(『週刊金曜日』編集者)
*講演に続き、ディスカッションを予定しています。
【主催・問い合わせ】
北海道大学メディア・コミュニケーション研究院附属東アジアメディア研究センター
芳賀 恵(電話:011-706-5143、e-mail:eastasian2@imc.hokudai.ac.jp)
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