2013年2月17日「東アジアメディア文化交流プロジェクト」のお知らせ

「東アジアメディア文化交流プロジェクト」‐経済成長とメディアの果たす役割‐  

主催:北海道大学東アジアメディア研究センター

後援:在中国日本大使館



北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院附属東アジアメディア研究センターでは、本年度より東アジアにおける良質な映像作品を、東アジアの各国・地域で鑑賞し議論をする場として、「東アジアメディア文化交流プロジェクト」という活動を開始いたします。今年は、「経済発展とメディアの果たす役割」という副題をつけ、公害問題、都市再開発問題に関する日本と韓国におけるドキュメンタリーを、中国で上映し、中国のメディア関係者と交流をはかります。 具体的には以下の作品の上映を予定し、その制作者より報告を行います。北京、広州在住で参加を希望される方は、下記東アジアメディア研究センターのメールアドレスまでご一報ください。



上映作品:

「記者たちの水俣病」(2000年、日本) 

「二つの扉」(2012年、韓国)



講演:  

村上雅通氏(元熊本放送制作者、現長崎県立大学教授)  

キム・イルラン・(監督)、イ・ヒョクサン(制作)



開催場所:

2013年3月23日(土)北京国際交流基金ホール

2013年3月25日(月)広州中山大学傳播与設計学院



式次第:

9:30 開会挨拶

9:45~11:00 講演「水俣病とメディア(仮題)」村上雅通(逐次通訳)

11:00~12:00 「記者たちの水俣病」(2000年) 上映(中国語字幕)

昼休み

13:30~14:45 講演「二つの扉の制作目的(仮題)」キム・イルラン(逐次通訳)

14:45~16:30 「二つの扉」(2012年)上映(中国語字幕)

休憩

16:45~17:45 討論

17:45 終了



作品紹介

『記者たちの水俣病』  

2000年熊本放送作品。水俣病を取材した新聞記者にフォーカスを当て、水俣病の発見からその拡大において、メディアがなぜ水俣病に関する報道が十全に行えなかったのかを検証した番組。

受賞歴:

第37回ギャラクシー賞選奨

2000年地方の時代賞優秀賞

日本民間放送連盟賞テレビ報道部門最優秀賞

芸術選奨文部科学大臣新人賞



『二つの扉』

「龍山ドキュメント」という副題をもつ『二つの扉』は、2009年1月20日に起きた、警察特攻隊員1名、強制撤去住民5名が死亡した「龍山惨事」を描いた作品。「龍山惨事」に関する大きな社会的反響を呼び起こした本作品は、全国30ヶ所以上の映画館で上映され、観客数7万人以上という、ドキュメンタリー作品としては異例ともいえる成果をあげた。監督は、キム・イルラン(김일란)、ホン・ジユ(홍지유)の二人。

受賞歴

2011 第3回DMZ国際ドキュメント映画祭−国際競走部門出品

2012 第12回インディーズドキュメントフェスティバル出品

2012 第9回ソウル環境映画祭出品 

2012 第17回ソウル人権映画祭出品 

2012 インディーズフォーラム出品 

2012 国際アムネスティ言論賞 

2012 今年の女性映画人賞−短編/ドキュメント部門 



講演者略歴

村上雅通

九州の熊本県の地方放送局・熊本放送を拠点に、主にテレビドキュメンタリーを制作。「水俣病」「戦争」「民族」などの社会的テーマをテレビ番組化。特に「水俣病」は1996年に「市民たちの水俣病」を制作して以降、「記者たちの水俣病」「水俣病空白の病像」など11作の制作に携わる。また、2001年から始まった日韓のテレビ制作者フォーラムに中心的に関わる。フォーラムは2003年からは中国が加わり、日中韓テレビ制作者フォーラムとなる。東アジアのメディア交流に尽力。現在、長崎県立大学教授。

キム・イルラン(김일란)

韓国のドキュメンタリー監督兼活動家。『Remember Me This Way』(2005)、『3XFTM』(2008)、『鍾路の奇跡(2011)、『二つの扉』(2011)などを演出。第7回ソウル国際映画祭女性新聞社賞、第10回ソウル国際女性映画祭オクラン賞、第34回ソウル独立映画祭優秀賞、2008年今年の女性映画人賞受賞、第15回釜山国際映画祭ワイドアングル-最優秀ドキュメンタリー賞 (PIFF Mecenat Award)2010年今年の韓国独立映画賞などを受賞した。



問合せ先: 東アジアメディア研究センター