開催日時:2020年8月5日(水) 15時00分~第2回「日韓連帯フォーラム」オンライン開催のご案内

開催日時:2020年8月5日(水) 15時00分~

場所:オンライン会議システム「zoom」による開催

韓国のジャーナリスト、安海龍さんを講師にお迎えし、第2回「日韓連帯フォーラム」を開催します。時局に鑑み、オンライン会議システム「zoom」を利用して行います。

日時:2020年8月5日(水)15時~17時
講師:安海龍(アン・ヘリョン)さん(ジャーナリスト)
テーマ:「朝鮮人労働者の慰霊、そして日韓の市民社会」
●講師プロフィール
 韓国の映像ジャーナリストの第1世代として活躍する映像作家。日本に本拠を置くジャーナリスト集団「アジアプレス」などで活動している。
2014年に朝鮮人元慰安婦・宋神道さんの10年間に及ぶ裁判と闘争を描いた長編ドキュメンタリー「オレの心は負けてない」を発表。映画制作のかたわら来日を重ねて各地の朝鮮人労働者の慰霊碑を撮影し、2019年にはこれらの写真を紹介するサイト「散らばった歴史 忘れられた名前」を公開している。
*当該サイトはこちらから見られます ➡︎ https://monument.sisain.co.kr
(ページの右側の「日本語版で読む」をクリック)

【参加方法】
パソコンからzoomに接続するためのIDとパスワード、またはURLが必要です。お名前・ご所属・ご連絡先を明記のうえ、以下にお問い合わせください。
*ネットでのご参加が難しい方は北海道大学での視聴も可能です。事前にお知らせください。
連絡先:
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院
東アジアメディア研究センター
下郷沙季
電話:011-706-5143
mail:shimogo200@gmail.com

【講演「朝鮮人労働者の慰霊、そして日韓の市民社会」概要】
炭鉱と鉱山、鉄道と発電所の建設現場に動員された朝鮮人労働者は、日本の資本主義のために犠牲となった焚きつけのような存在であった。日本中に建てられた慰霊碑や追悼碑には、朝鮮半島の植民地支配と南北分断の歴史があますところなく投影されている。
日本の敗戦後に建てられた慰霊碑のうち、朝鮮人の名前が残る慰霊碑として東大和市にある「殉職者之碑」がある。戦争末期に軍部の要求で多摩湖の山口貯水池の建設工事に動員された朝鮮人二人の殉職者の名前が刻まれている。その後、朝鮮人団体の在日本朝鮮人連盟(朝連)の千葉県本部が関東大震災で犠牲となった朝鮮人のために「関東大震災犠牲者同胞慰霊碑」を1947年3月1日に建てた。戦後、日本の市民と朝鮮人がともに建てた初の慰霊碑として、1952年4月20日に埼玉に建てられた「関東大震災朝鮮人犠牲者慰霊碑」がある。ともに関東大震災で犠牲となった朝鮮人を追悼する慰霊碑だ。
朝鮮人労働者の強制動員の事実を明確に示した最初の慰霊碑は、福島県の「日発沼倉水力発電所建設工事朝鮮人殉難者慰霊碑」である。1947年10月1日に朝連の猪苗代支部が建立した。朝鮮人強制動員に関連して日本側が建てた慰霊碑の中で「強制労働」という言葉を初めて使った碑は「太平洋戦争強制労働犠牲者慰霊碑」である。北海道の釧路市民会が1973年8月9日に建立したものだ。碑文には「私たちは戦争の犠牲になって死んでいった人々に対し、国境を越え民族の連帯と協力を深めていくことを、ここに誓う。二度と戦争の悲劇をくり返さないために市民一人一人の誓いをこめその証しのためにここに慰霊碑を建てる」と建立趣旨が記されている。
朝鮮人の強制動員という歴史を記憶し、犠牲となった朝鮮人労働者たちを追悼する朝鮮人慰霊碑が本格的に建てられるのは1960年代に入ってからである。1965年に刊行された朴慶植の『朝鮮人強制連行の記録』は朝鮮人強制連行についての認識を広めた。同書は、朝鮮人の民族団体はもちろん、日本の学界や市民にも影響を及ぼし、強制動員に関する調査と研究、追悼事業が拡散するきっかけとなった。
本講演では、日本の全国に散らばる慰霊碑と追悼碑に刻まれる強制動員された朝鮮人労働者の歴史に注目する。それを通して、日本の戦争責任問題に関する歴史、日本に投影された朝鮮半島の分断の歴史、日本と韓国の市民団体の歴史について考察する。

【日韓連帯フォーラムについて】
 日韓関係に携わる研究者・活動家たちが、平和研究を基盤にしてポスト冷戦時代を見据えた新たな日韓関係のあり方について対話を行い、市民社会の領域から「65年体制」を乗り越える方法を提案するものです。過去の日韓連帯を政治的・運動論的な視点に押しとどめるのではなく、社会的・経済的領域にまで広げて、21世紀の日韓関係にふさわしい概念として再生し、これに「平和研究」を接続する試みです。2020年12月には、各分野の専門家が参加するシンポジウムを開催し、学際的なアプローチを通して提示する「日韓連帯」の新しいパラダイムを研究者と市民社会が共有します。
 なお、第1回は2020年7月1日(水)に「過去と現在を考えるネットワーク北海道」代表の小林久公さんをお招きし、「強制動員真相究明ネットワークのあゆみ」をテーマに講演していただきました。新型コロナウイルス感染症拡大を受け、非公開での開催となりました。
*本フォーラムは韓国国際交流財団(KF)の助成によって運営します。