当センターは、北海道大学グローバルCOE「境界研究の拠点形成」、および財団法人経済広報センターの共催を得て、1月31日(月)、東京・大手町の経団連会館で、国際シンポジウム「中国の影響力拡大と日本-政治体制改革とメディアの越境-」を開催しました。
中国が経済規模において世界二位となった2010年、中国のメディアが対外情報発信の強化に向けて大きな一歩を踏み出しました。2010年初め、国営通信社・新華社は中国新華電視網(CNC World News)を開設しました。新華社はCNCをCNNやアルジャジーラのような国際的に影響力のあるニュースチャンネルに育てるとしています。09年末には、中央電視台が中心となり開設された多言語ウェブテレビ・中国網絡電視台もスタートしています。中国メディアの「走出去(対外進出)」は国際社会に、また日本に、何をもたらすのでしょうか。ビジネスの面において中国メディアは、海外メディアや企業との間でさまざまな連携を模索しています。
近年、中国のメディア研究で先進的な取り組みを行っている香港大学ジャーナリズムメディア研究センターの所長陳婉瑩教授と同センターのプロジェクト・マネージャー・銭鋼氏をお招きし、「中国メディアの対外進出」をテーマに、シンポジウムを開催しました。企業・団体の中国担当・広報担当者、メディア関係者、研究者など約200名が参加しました。
第一部では、長年、中国で新聞記者として活躍され、ルポルタージュ作家としても著名な銭鋼氏より、中国メディアと政治体制改革についてご報告をいただき、次に、陳教授より、中国メディアの対外進出、越境をテーマに講演をいただきました。
第二部のディスカションでは、日本放送協会解説主幹の加藤青延氏、北大から大学院メディア・コミュニケーション研究院の高井潔司教授、渡邉浩平教授もパネリストに参加し、中国社会の現状とメディアの動きについて、中国の影響力拡大と日本という視点から活発な議論が行われました。
北アフリカ諸国で改革を求める大規模デモとインターネットメディアの影響力が話題になっていた時期での開催であり、参加者からも非常に高い関心が集まりました。会場からも積極的な発言があり、大盛況のうちに終えることができました。
また1月29日(土)には、両名を北海道大学に招き、情報教育会館で同様のシンポジウムを行い、大学院国際広報メディア・観光学院の学生とも交流が図られました。
日時: 2011年1月31日(月) 14時30分~17時15分 (14時00分開場)
場所: 経団連会館 国際会議場(東京・地下鉄大手町 直通)
◆第一部講演(14時30分~16時00分)◆
「中国メディアと政治改革」
香港大学ジャーナリズムメディア研究センター プロジェクト・マネージャー 銭鋼
「中国メディアの『走出去』」
香港大学ジャーナリズムメディア研究センター 所長・教授 陳婉瑩
◆第二部 ディスカッション(16時15分~17時15分)◆
香港大学ジャーナリズムメディア研究センター 所長・教授 陳婉瑩
香港大学ジャーナリズムメディア研究センター プロジェクト・マネージャー 銭鋼
日本放送協会(NHK) 解説主幹 加藤青延
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 研究院長・教授 高井潔司
司会:北海道大学東アジアメディア研究センター・センター長・教授 渡辺浩平
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