2021年2月1日にミャンマーで国軍がクーデターを起こしてからおよそ2年半が経ちました。8年前からミャンマーで取材を続けてきたドキュメンタリー映像作家の久保田徹さんは、2022年7月30日ヤンゴンのフラッシュデモを取材・撮影直後、軍の指揮下にある警察に拘束されます。その後、三つの容疑で起訴され軍事法廷で合計年の実刑判決が下されましたが、同年11月17日に恩赦によって解放され、翌日日本に帰国しました。NHK大阪放送局ディレクターの家坂徳二さんは、久保田さんが獄中で書いた手記を読み解き、「君はなぜミャンマーを撮り続けるのか 映像作家・久保田徹 拘束からの日々」を制作しました(NHKBSスペシャル、5月21日放映)。お二人は、学生時代から難民と日本の関わりをテーマに、日本で見過ごされがちな話題を映像で発信する活動を続けています。
本講演会では、お二人をお招きして、現在のミャンマーの情勢と、それを伝えることの意義について語っていただきます。また、「映像作品」と「公共放送の番組」という情報発信の手法のそれぞれの社会的役割について語り合い、今後のジャーナリズムのあり方について考えます。
日時:2023年8月2日(水)18:00-19:30
会場:北海道大学学術交流会館小講堂(札幌市北区北8条西5丁目、北海道大学正門入って、左手二番目の建物)
参加費:無料(事前申し込み無し/対面のみの実施)
講師:
久保田徹(くぼた・とおる)
大学在学中の2014年よりロヒンギャ難民の撮影を開始し、ドキュメンタリー制作を始める。以降、BBC, Al Jazeera,NHK Worldなどにてディレクター、カメラを担当。社会の辺境に生きる人々、自由を奪われた人々に寄り添いながら静かにカメラを向け続ける。2022年7月にミャンマーにて撮影中に国軍によって拘束され、111日間の獄中での生活を経て帰国。
家坂徳二(いえさか・とくじ)
慶應義塾大学出身 2017年NHK入局。おはよう日本、大阪放送局を経て、2023年8月から報道番組センター・政経国際番組部のディレクター。学生時代は、久保田らとともに難民と日本の関わりをテーマに、日本で見過ごされがちな話題を映像を通じて発信を試みる活動をしてきた。NHK入局後は「コロナ禍の飲食業」「常時接続SNS」「バーゲンジャパン」など、社会経済を中心とした番組やリポートを制作。2023年5月にNHK入局以来初めて、ミャンマーをテーマにした番組を制作した。
聞き手:下郷紗季(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院学術研究員)
※同会場にて17:00より、「メディア・アンビシャス」の特別例会が行われます。特別例会では、「君はなぜミャンマーを撮り続けるのか 映像作家・久保田徹 拘束からの日々」を視聴し、内容について議論します。
主催:北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院東アジアメディア研究センター/共催:メディア・アンビシャス
【お問い合わせ先(東アジアメディア研究センター)】ceams5143@gmail.com
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